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患者サポート

「心理検査」について

こころの状態や特性を理解し、治療に活かす

  • 自分は発達障害なのではないか
  • 仕事や学校で同じ失敗を繰り返してしまう
  • うつや不安が続いていて、自分の状態を客観的に知りたい
  • もの忘れが増えてきて、認知機能が心配

このような悩みを抱えている方にとって、心理検査は、自分のこころの状態や認知機能、考え方の特徴を整理するための大切な手がかりになります。 心理検査というと、「性格を見抜かれるもの」「検査だけで診断が決まるもの」というイメージを持たれることがあります。
しかし実際には、心理検査は人を決めつけるためのものではありません。診察での問診や生活歴、現在の困りごとなどとあわせて、診断や治療方針を考えるための重要な資料となるものです。

心理検査でわかること

心理検査では、検査の種類によって、知的能力、記憶力、処理速度、発達特性、気分の落ち込み、対人関係の傾向、性格傾向などを確認します。たとえばWAIS-Ⅳのような知能検査では、単にIQを見るだけではなく、「言葉で理解する力」「目で見て考える力」「一時的に情報を覚えて操作する力」「処理の速さ」など、認知機能のバランスを詳しく確認します。その結果から、仕事や学業でつまずきやすい場面、疲れやすい作業、自分に合った工夫などを考えることができます。

心理検査だけで診断が決まるわけではありません

たとえば、WAIS-IVで特定の能力に偏りがあったとしても、それだけで発達障害と診断されるわけではありません。また、ADHDやASDに関する質問紙で高い点数が出たとしても、それだけで診断が確定するわけでもありません。診断には、現在の症状だけでなく、幼少期からの経過、学校や仕事での困りごと、家庭での様子、他の精神疾患との関係などを総合的にみる必要があります。心理検査は、診断や治療を考えるための重要な資料です。検査結果をもとに、医師や心理士が患者さんの困りごとをより丁寧に理解し、今後の治療や支援につなげていきます。
 

心理士が検査を担当します

心理検査では、質問への回答や課題の成績だけでなく、検査中の取り組み方、疲れやすさ、集中の続き方、反応の仕方なども大切な情報になります。
当院の心理士は、検査結果の数値だけでなく、検査中の様子や患者さんの困りごとをふまえて、総合的に結果を整理します。
また、当院で心理士によるカウンセリングを行う場合にも、心理検査の結果は役立ちます。考え方の癖、対人関係のパターン、ストレスへの反応、認知機能の特徴などを理解したうえで、より本人に合った支援を考えやすくなるためです。

保険を使って受けられる心理検査があります

外来で心理検査を受けたいと思っても、費用面が気になる方は少なくありません。
心理検査が自費扱いとなる医療機関もありますが、当院では医師が必要と判断した場合、多くの心理検査を保険診療の中で受けることができます。
たとえば、よく行われるWAIS-Ⅳは、検査単体で24万円程度かかるクリニックもありますが、当院では保険診療の中で実施できるので、外来で通常の健康保険を使用した場合、3割負担で1,350円程度です(他にも診療や精神療法などの費用がかかります)。
心理検査を受けたいけれど費用が心配、という方にとって、保険診療で検査を受けられることは大きなメリットです。

※検査の実施可否や費用は、診察内容、保険の種類、制度変更などにより異なる場合があります。実際に検査を希望される場合は、診察時に医師へご相談ください

当院で受けられる代表的な心理検査

東京武蔵野病院では、目的に応じてさまざまな心理検査を行っています。一部をご紹介いたします。
    • 知能・発達特性に関する検査:WAIS-Ⅳ、WISC-Ⅳ、AQ、CAARSなど
    • 性格傾向・心理状態をみる検査:ロールシャッハテスト、バウムテスト、描画テスト、SCT、P-Fスタディ、MMPI-3、TEG3など
    • 認知機能・記憶に関する検査:MMSE、ウェクスラー記憶検査、FABなど 気分・摂食・ストレス反応に関する検査:SDS、EAT-26、IES-Rなど

※他にも実施可能な心理検査があります。医師や心理士と相談の上、検討します。

心理検査の結果をどう活かすか

心理検査の目的は、結果を出して終わりではありません。大切なのは、その結果を今後の治療や生活にどう活かすかです。たとえば、注意力や処理速度に弱さがあることがわかれば、仕事や学習の環境調整を考えるきっかけになります。記憶力の低下が確認されれば、生活上のサポートや今後の治療方針を考える参考になります。また、対人関係で同じようなつまずきを繰り返している場合には、心理検査によって自分の反応パターンを理解し、カウンセリングの中で扱うテーマが明確になることもあります。心理検査は、「自分の弱点を突きつけるもの」ではありません。自分の特徴を理解し、無理のない工夫を考え、治療や支援につなげるためのものです。

最後に

心理検査は、こころの状態や認知機能、発達特性、性格傾向などを理解するための有用な方法です。ただし、検査だけで診断が決まるわけではありません。診察での問診、これまでの経過、生活上の困りごとなどとあわせて、総合的に判断することが大切です。
「自分の状態をもう少し詳しく知りたい」 「治療やカウンセリングに活かしたい」 「発達特性や認知機能について相談したい」 そのような方は、まずは診察でご相談ください。

2026.6.15 精神科医師 三輪泰輝

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