病院紹介
治験情報
治験とは
新しい薬が一般的に使われるようになるには、長い研究開発期間を必要とします。薬の候補となる新しい物質が発見されても、それだけでは薬として使用できません。動物を使ってさまざまなテストをし、効果の確認と安全性を検討した後、ヒトで有効性と安全性について試験をし、その成績を厚生労働省に提出して審査を受け、承認されて初めて「医薬品」となります。ヒトにおける試験を一般に「臨床試験」といいますが、「薬の候補」を用いて国の承認を得るための成績を集める臨床試験は、特に「治験」とよばれます。
治験(臨床試験)は人を対象にして行うので、常に被験者の安全と人権に気を配る必要があります。医学研究の倫理的原則は1964年の世界医師会総会で採択された、「ヘルシンキ宣言」(現在までに何度も改定を経ています)に示されていて、治験を実施する上での規則(GCP)も、すべてこのヘルシンキ宣言の精神をもとに作成されています。
新しい薬ができるまで
基礎研究
薬の候補となる物質を見つけます。
非臨床試験
薬の候補について動物で有効性(効果)、安全性(副作用)を調べます。また体内の動き(吸収、代謝等)、品質、安定性の試験も実施します。動物での試験で有効性(効果)と安全性(副作用)が確認できても、ヒトで同じ有効性・安全性があらわれるとは限りません。「薬の候補」が「医薬品」となるためには、どうしてもヒトにおいて有効性・安全性を調べる必要があります。
治験(臨床試験)のステップ
第I相試験 | 少数の健康な人を対象に、「薬の候補」の安全性(副作用)と体内での動きを調べます。 |
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第II相試験 | 患者さまを対象に、「薬の候補」が病気に対してどのような有効性(効果)があるのか、安全性(副作用)はどの程度か、どのような使い方(投与量・期間など)をしたらよいかを調べます。 |
第III相試験 | 患者さまを対象に、「薬の候補」の有効性(効果)と安全性(副作用)、使い方を最終的に確認します。 |
治験に参加することによるメリット
・いち早く新しい薬での治療を受けることができます。
・新しい薬を世に送り出すための創薬ボランティアとして貢献ができます。
・通常の治療より詳しい診察や検査が行われ、きめ細かな診療・説明を受けることができます。
・医師・看護師だけでなく多くのスタッフのサポートを受けられます。
・治験薬服用中は、検査・画像診断等、また一部の薬の費用負担が軽減されます。
・治験のための来院ごとに(入院の場合は一入院につき)、交通費等の負担を軽減するための費用が支払われます。
治験に参加することによるデメリット
・治験中は体調に変化がないか慎重に診察するため、いつもより来院する回数が多くなったり、検査の頻度が高くなることがあります。
・薬の飲み方や生活の仕方など、気をつけて守らなければならないことがあります。
・まれに、これまでに知られていなかったような副作用が出る可能性があります。
医薬品の開発段階で、健康な人や患者さまに、実際に「薬の候補」を使用していただいて、効果と安全性を確認するために行われる臨床試験を「治験」といいます。治験で使われる「薬の候補」を「治験薬」といいます。
製薬企業は病院に依頼して、新しい「薬の候補」が病気の治療に有用かどうかを調べて、その結果を厚生労働省に提出、厳格な審査を受けて有用性があると認められれば、医薬品として使用が可能になります。
厚生労働省から承認を受けて医薬品として販売された後、その医薬品のさらなる有効性や安全性の情報を集めるために製薬企業は「製造販売後調査」を行います。
製造販売後調査(第IV相試験)
実際に市販された後に広く使用されることにより、第III相まででは得られなかった副作用などを調べるために実施されます。
・使用成績調査:日常の診療において、患者さまの条件を定めず、副作用の発現状況、品質、有効性と安全性に関する情報を集め、確認するための調査
・特定使用成績調査:使用成績調査のうち、小児、高齢者、妊産婦、腎機能障害又は肝機能障害を有する患者さま、長期使用者など特定の患者さまを対象にした調査
・製造販売後臨床試験:日常の診療で行う検査以外の検査をしたり、ほかの薬と比較をしたりして、その結果を詳しく調べる試験
治験を安全に行うために
治験や製造販売後臨床試験は国が定めた「薬事法」や「医薬品の臨床試験の実施の基準(GCP)」、「医薬品の製造販売後の調査および試験の実施(GPSP)」などの法律を守って実施されています。
治験審査委員会について
治験審査委員会について
院長は病院内に治験審査委員会という委員会を設置します。この委員会は患者さまの安全などを守る立場から、新しい治験を実施する場合はその内容が科学的および倫理的に適正かどうか、また新たな情報などを入手した場合はその治験を継続しても問題がないかどうか、調査および審査を行い、その審査結果を基に院長に意見を述べます。治験審査委員会の意見に基づいて、院長がその治験の実施や継続を決定します。
治験審査委員会 会議記録概要
項 目 | 開催日 | 備 考 |
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お知らせ | 2016年5月~2024年12月 | 治験審査委員会(IRB)休会 |
第110回 | 2016/04/11 | PDFファイル93KB |
第109回 | 2016/03/14 | PDFファイル96KB |
第108回 | 2016/02/08 | PDFファイル96KB |
第107回 | 2016/01/18 | PDFファイル63KB |
治験審査委員会開催予定表
項 目 | 更新日 | 備 考 |
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2024年度治験審査委員会開催予定表 | 2024/03/13 |
治験審査委員会委員名簿
項 目 | 更新日 | 備 考 |
---|---|---|
治験審査委員会名簿 | 2024/10 | PDFファイル67KB |
手順書等
項 目 | 更新日 | 備 考 |
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【第8版】治験に係わる標準業務手順書 | 2013/07/08 | PDFファイル1,582KB |
【第8版】治験審査員会標準手順書(IRB-SOP) | 2013/07/08 | PDFファイル696KB |
【第8版】SOP補遺の更新 | 2013/07/08 | PDFファイル136KB |