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クロザリル(クロザピン)について
クロザリル(クロザピン)について

クロザリルとは
当院では、クロザリル(クロザピン)による治療を行っています。クロザリルは、治療抵抗性統合失調症に対して、効果があることが認められている唯一の薬です。海外では米国、英国をはじめ100ヶ国以上(2016年8月時点)で承認され効果を上げている薬剤で、国内臨床試験でも治療抵抗性統合失調症患者の50%以上に改善が認められています。
治療抵抗性統合失調症とは
複数の抗精神病薬を十分な量、十分な期間用いても症状がよくならなかったり、あるいは副作用のために服薬継続が難しく、十分に改善しない統合失調症の患者さんがいます。そのような状態を「治療抵抗性統合失調症」と呼びます。
クロザリルの有効性と副作用
治療抵抗性統合失調症に対するクロザリルの有効性は高いのですが、白血球減少や心筋炎、高血糖といった重篤な副作用が出現するおそれがあるため、定期的な血液検査が義務づけられています。また、初回投与開始から18週間は、入院管理下での治療が必要です。当院では、副作用出現時には必要に応じて搬送できるよう慶應義塾大学病院と覚書を交わし、院内の内科医との連携のもと、クロザリルの使用を行っています。
クロザリル患者モニタリングサービス(CPMS)
クロザリルは、この薬についての講習を履修し、クロザリルの情報や緊急時の対処を含めて十分な知識を習得し、審査を通過した医師(CPMS登録医)だけが処方できます。また、クロザリルによる治療を行う医療機関は登録が必要です。採血当日に血液検査などの結果を得ることができること、好中球減少症や無顆粒球症に対する対応が可能なこと、糖尿病内科医との連携が可能であること、CPMS登録医、CPMSコーディネート業務担当者、クロザリル管理薬剤師がそれぞれ2名以上いることが登録要件になっています。当院は、これらの要件を満たしており、クロザリルによる治療が可能な医療機関です。